「南米・アンデス縦断」(54)
南緯52度のプエルト・ナタレスの町を歩く。この町はチリ南部のマガジャネス州ではプンタ・アレナスに次ぐ第2の町ということだが、人口は2万人ほど。町中をひととおり歩くと中心街から海岸へ。真夏とはいえ、ウルティマ・エスペランサ湾を渡って吹いてくる風は、身を切られるほどに冷たい。
地図を見ると、フィヨルドのこの一帯はどこが大陸でどこが島なのか、まったくわからないほど。無数の湾、入江が入り組み、無数の水路がある。まるで迷路だ。プエルト・ナタレスが港町とはいっても、ほんとうに海とつながっているのだろうかと不思議になるほど。そんな疑問をかき消すかのように、白い大型客船が入港した。南極に行くノルウェー船。ノルウェー北部のナルビックからやって来た。これから南緯55度のウシュアイアに寄港し、南極に向かうという。
プエルト・ナタレスの町歩きを終えると、レストランで夕食。肉をはさんだサンドイッチを食べた。コーラを飲んで3000ペソ(約600円)。
「ホテル・チャールズ・ダーウィン」に戻ると、有志一同で宴会をすることにした。予算は1人2000ペソ(約400円)。みんなでスーパーに行き、ビールやワイン、ポテトチップスなどを買い込み、ホテルの部屋で飲み会が始まった。話題はもっぱら烈風のパタゴニア。「犬が空を飛ぶ!」というパタゴニアだが、まだ誰も空を飛ぶ犬を見ていないといって大笑いした。
プエルト・ナタレスの町を歩く
プエルト・ナタレスのガソリンスタンド
夕食のサンドイッチ