伝説の「賀曽利隆オンライン」(9)
(2000年5月10日号)
『世界を駆けるゾ!30代編』にひきつづいてのシリーズ第3弾、『40代編・上巻』の原稿を書き終え、編集の瀬戸雅彦さんに手渡してきました。
本書はぼくが40歳になって早々におこなった「サハラ往復縦断」からはじまります。
40歳というのはなんとも厚い壁で、ちょうどそのころを境に体力も気力もガクッと衰えてくるものです。
そんな自分を叱咤激励し、
「ここでなんとか、踏ん張らなくては‥‥」
という気持ちでチャレンジしたのが「サハラ往復縦断」でした。
この「サハラ往復縦断」を成しとげたことによって、ぼくの40代が開けてきたように思います。そのあと「50㏄バイク日本一周」、「50㏄バイク世界一周」、「東京→サハリン」、「本州横断」、「インドシナ一周」とつづきます。
6章仕立ての『世界を駆けるゾ!40代編・上巻』(フィールド出版)は6月中には出る予定です。20代編、30代編と同様、40代編もよろしくお願いします。
(2000年5月25日号)
JTBから出る予定の『旅の鉄人カソリの激走30年』は今、大詰めの作業をしていますが、この本でひとつうれしいのは、お2人の若い編集者と一緒に仕事ができたということです。すごく能力のある人たちで、お2人の持つ若い感性におおいに刺激されたカソリなのです。
本というと「賀曽利隆著」というように、書いた者の名前だけが大きく出てしまいますが、実際には書き手と編集者の2人3脚でできるもの。ところが編集者は徹底的に黒子を通すので、著者の名前だけが目立ってしまうのです。
この本は、30年余りの間で月刊『旅』で書かせてもらった中から16編を選んで1冊にまとめたものですが、その第1章は「アフリカ一周」のうち、雨期の西アフリカ横断を書いたものです。
当時の『旅』編集部の川田充さんは、ぼくの超悪筆の原稿を前に、東京・神田の喫茶店で半日近い時間をかけて赤(添削)を入れて下さったのです。あのときの川田さんの熱意は未だ忘れることはありませんが、そのあたりのいきさつも、第1章に書いています。
みなさん、6月下旬発売の『旅の鉄人カソリの激走30年』(1500円)をどうぞご期待下さい。